WINNERS 過去の受賞者一覧
2022
監督部門 グランプリ作品企画
『16小節の旅の始まり(仮)』
あらすじ:
事なかれ主義の女子高生・チー子がラップと出会い、現状を変えたいと願う親友・前田とともに、奮闘する成長物語。果たしてチー子は、ラップを通して、「言葉を使って戦う勇気」を得て、挫折ばかりの人生に終止符を打つことができるのか。
女子高生 × ラップを掛け合わせた青春群像劇。
脚本部門 審査員特別賞
『風よふけ、僕らの熱い涙を』
あらすじ:
高校生の璃子(りこ)17歳。優等生で友達にも恵まれ順風満帆な高校生活を送るが、胸の内には誰にも言えない悩みを抱え、満たされない感情のまま日々を 送っていた。そんな時、出会ったのは13年前に卒業生が書いた青春小説だった。小説に感化された璃子は、現実逃避をするかのように作者である卒業生の今現在を探し始める。
その先に彼女が見つけたものとは。
過去と現在が時空を超えて交差する学園青春映画。
監督部門 審査員特別賞
『コンビニ』
あらすじ:
27歳でコンビニ店員をしながら働いている希紗世(きさよ)が、ある日、コンビニを訪れた70代の男性・勝(まさる)に出会うことから始まる物語。彼の行動を観察するにつれ、彼の目的が「刑務所に入ること」だと気づく。二人は出会ったことでどう変わっていくのか。
果たして、彼の目的は達成されるのか?
高齢者の居場所に着目した心温まるストーリー。
脚本部門 グランプリ作品企画
『バトリーヌ!(仮)』
あらすじ:
人前が苦手な優しいアニオタ男子・濱野(18)と、毒舌の生粋女子ダンサー・ひな(18)。
アニソンダンスを完コピする濱野を、ひなが盗撮したことから全ては始まった——。
あれよあれよと2人はアニソンダンスバトルにチームで出場することに。
練習でも本番でもぶつかり合う2人は、人々の「好き」が詰まった熱い舞台で勝ち上がることができるのか?
脚本部門 審査員特別賞
『三人の柄本明(仮)』
あらすじ:
俳優・柄本明は、小さな町を目指して電車に揺られていた。 ライフワークである一人芝居『エドマンド・キーン』の舞台に立つためだ。 それに合わせて、柄本と瓜二つの詐欺師・牛尾がやって来て寸借詐欺を始める。 さらに柄本を俳優として堕落したと決めつける青年が柄本を拉致しようとするが、さらったのがそっくりの牛尾だった…。
企画部門 審査員特別賞
『▽サンカク ―女は、愛を、くっつけた―(仮)』
あらすじ:
愛する男の最期のとき、女はその愛おしい彼のイチモツを切り取った。 そして、自分の下着に隠して逃げるが、その後イチモツが自身にくっついてしまう。 女はイチモツと共に男として生きていくことを決める。女性から男性に変わった主人公の葛藤と悦びとは。
作品について:
愛するが故にイチモツを切り取り、愛するが故にくっついたイチモツと共に男として生きていくと決めた女、現代版・阿部定。究極の愛の物語です。
受賞までの道のり TCP2019 受賞者体験談
脚本部門 審査員特別賞
『658km 、陽子の旅』
あらすじ:
人生を諦め惰性で日々を過ごしていた草壁陽子(46)は、長年疎遠になっていた父が事故に遭い重体であることを知る。 父に会いにいきたいが、東京から父が入院する青森まで移動するための所持金も頼れる友人知人もなく、ヒッチハイクで向かうことにする。 その旅の過程で様々な人と触れ、閉ざしていた感情に小さな変化が生まれてくる。
作品について:
「分断」という言葉をよく耳にする時代だからこそ、自分と価値観のことなる “他人”との繋がりについて考える映画を企画しました。
多くの人にとって今回の主人公は共感できない“他人”だと思います。
しかし、そんな彼女も彼女なりに苦しみもがいている姿を見ることで、“他人”のことを知り、“他人”に対して前よりも少しだけ優しい気持ちになってもらえればと思っています。
監督部門 審査員特別賞
『ヨンチンの成長日記(仮)』
あらすじ:
5歳で母親が蒸発してから自分の成長日記をつけているヨンチンが17歳で妊娠し、一つの命を生み出すまでの、ささやかで劇的な日常を綴った物語。
作品について:
お母さんが出て行っちゃった日、お父さんと大げんかした日、初めてセックスした日。
人生はそんな”Xデー”で作られていると思いがちだけど、本当は、人に話しても仕方がないような、繰り返しで退屈で劇的な日常で構成されているのだと思います。
そんな繰り返しで退屈で劇的な日常。
誰にも共有されずに過ぎ去っていった日常を切り取った、あなたや私やまだ見ぬ誰かの物語を作りたいと思っています。
準グランプリTSUTAYAプレミアム賞受賞企画
『先生、私の隣に座っていただけませんか?』(旧題:『先生、私の隣に座って頂けませんか? 』)
『不倫をテーマにしたきっかけはコンビニで読んだ雑誌』
雑誌である記事を読んだのがきっかけです。このTCPの企画を考えるのに締切直前までホント行き詰まっていて……。 応募締め切りの1週間前くらいでしたかね。気分転換に家の近くのコンビニへ行ったときに「週刊プレイボーイ」が目に入って、 そのときの特集がたまたま「不倫マンガ」だったんですよね。 それで、不倫ものって面白いなと。フィクションではあるけれど、現実には起こり得ないとは言えないので。
TCP2018準グランプリ受賞作品『先生、私の隣に座って頂けませんか?(仮)』堀江貴大【インタビュー】【前編】堀江監督×金井監督×映画ライターSYOスペシャル鼎談|【公式】TSUTAYA CREATORS' PROGRAM (TCP)|note
準グランプリ作品企画 Filmarks賞
『妊娠してる場合じゃないの!(仮)』
『出産の経験と人種問題に疎い日本人への衝撃』
実はTCPに別の企画をひとつ出していたんですけど、まだ締切まで時間があったのでもうひとつ新しいものを出そうと思ったんです。
でも案外ギリギリで、そうなってくると自分にとって身近なテーマに話が絞られて。
そのときに、女性の産後の社会復帰とアジア人の黒人に対する人種差別というテーマが浮かんできたので、それで今回の企画を送りました。
審査員特別賞
『Mirror Mirror(仮)』
『女性だからこそのアイデンティティの揺らぎ』
企画を立てるときに、テーマやモチーフをまず考えるんですね。といっても、割とざっくりしたものなんですけど。
そのときに、最近「双子」をメインに描いている映像って観ていないな……と思って、まずそこからはじまったんです。
それで、じゃあ、その双子がどうだったらおもしろいんだろうと考えていって、双子ってことはアイデンティティや家族の問題に行き着くなと思ったので、その心理的な揺らぎを描けたらという着想をベースに企画を起こしていった感じですね。
グランプリ作品企画
『2/1イチブンノニ(仮)』
『初代グランプリ・中江和仁氏との意外なつながりがTCPを知るキッカケに』
プレゼンの練習はすごくしたという針生氏。実は当初、2016年開催の第2回を狙っていたんだとか。
「最終審査会当日はすごく緊張していたなと思いますね。落ち着いて、早口にならないようにとプレゼンの練習は前日まで念入りに行いましたし、映像含めて準備はできる限りはやっていました。本当は前の年に出したかったんですけれど、そこまでにいい感じにまとまらなくて(笑)。一旦寝かせたみたいな形になったんですけれど、改めてこのタイミングだと思って応募した感じですね」
針生氏がそもそもTCPの存在を知ったのは、結果初回でグランプリを獲得することになる中江和仁氏の話からだったという。
準グランプリ作品企画 Filmarks賞
『モータープール(仮)』
『TCPは映画業界においてのM-1やキングオブコントみたいなもの』
最終プレゼンでは、作品の舞台となる大阪でのイメージVTRを『探偵ナイトスクープ』仕立てにして笑いを取っていたが、やはり緊張したという。
「まぁ…いっぱいいっぱいでしたね(笑)。プレゼンの10分間のうち5分が映像なので…。審査員の方は脚本を読んでくれていますが、読んでいない来場者が大多数の場で、その人たちを置いてけぼりにすることは、エンターテイメントを職にする端くれの人間としてはやってはいけないことだと思って。残りの5分で企画の全貌をいかに効果的に伝えられるか必死でした」
【製作前を直撃】Filmarks賞受賞ウエダアツシ監督にインタビューと出演直談判してきた《取材》
準グランプリ作品企画 GREEN FUNDING賞
『この子は邪悪』(旧題:『ザ・ドールハウス・ファミリー』)
『作り手としては一番ありがたいチャンス』
2017年11月に開催された最終審査会では7名のファイナリストでトリを飾った片岡氏だが、「意外と楽しんでやれました」と当時を振り返った。
「ステージに上る直前になって『こういう機会は一生に一度あるかないかくらいかな』と思ったらちょっと楽しんでる自分がいました」
とにかく楽しいことを仕事にしたい! と思い立ったのが20歳くらいだという片岡氏。映画は好きだったというが、この道に進むのに確固たる自信があったわけではなかったという。
TCP2017準グランプリ受賞の映画『ザ・ドールハウス・ファミリー(仮)』片岡翔さん【インタビュー】
審査員特別賞
『水上のフライト』
『価値観が変わったことが事の始まり』
まずはホッとした、というのが正直な感想だったのだろう。最終審査会でTSUTAYA/カルチュア・エンタテインメント社長の中西一雄から「他の受賞作と同様に映像化を進めていく」と言葉を聞いた時、ステージ上での土橋氏の顔が一段と明るくなった。
「あの時はやっぱり…『ああ、良かった!』ですよね。特別賞ということで本来はない賞でしたから。受賞するかしないかは天国と地獄じゃないですけれど、その余韻がまだ続いている感じですね。
この企画は東京の江東区を舞台としているんですが、いろいろなところから助力が来ていて、フィルムコミッションも協力したい、みたいな話とか。
これは盛り上がってきたなというのもあったし、モデルになったパラリンピックアスリートの瀬立モニカさん(カヌー)は、これが決まった翌日くらいにアジア大会で金メダルを獲ったので、かなり相乗効果だなと喜びがありましたね」
TCP2017審査員特別賞受賞の映画『水上のフライト(仮)』土橋章宏さん【インタビュー】
グランプリ作品企画
『哀愁しんでれら』
『グランプリでなければ許してもらえないと思った…』
日本テレビ系列ドラマ「時をかける少女」の脚本、読売テレビ系列ドラマ「黒い十人の女」の監督、さらに来春公開の映画『3月のライオン』(監督:大友啓史)でも脚本を務める渡部氏。前作の『かしこい狗は、吠えずに笑う』では、2012年「ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」をはじめ多くの映画賞を受賞するなど脚本家、監督としても高い評価を受けてきた。 しかし、今回のTCP出場にはそんな渡部氏だからこそのプレッシャーがあった。
TCP独占インタビュー『哀愁しんでれら』渡部亮平監督インタビュー|【公式】TSUTAYA CREATORS' PROGRAM (TCP)|noteバカバカしいと言われても他の映画に埋もれない異色の映画を作りたい!《取材》
準グランプリ作品企画 Filmarks賞
『ゴーストマスター』(旧題:『ゴーストマスターズ!~呪いのビデオができるまで~』
『まずはここがスタート地点。』
アメリカ人の父親と日本人の母親を持ち、フリーランスの監督として、フジテレビ『FLASHBACK』、『それでも僕は君が好き』、日韓共同制作映画『BRAKEMODE』など、ドラマ、映画、MVなどの演出を手掛けてきた経歴を持つポール氏。
今回の応募のきっかけについては、「ジャンプしたいな、チャレンジしたいなという思いがありました。TCPはわかりやすく結果が出る。自分で書いた脚本をプロデューサーに見せるフローは、脚本の内容だけでなく、タイミングなど様々な要因が絡んで成立までの道が非常に遠い。
いざ制作が決まっても予算が集まらなくて、途中でポシャることもよくあります。そんな不明瞭な部分が多い映画作りの中で、TCPは制作から販促までゴールが決まっている。そんな白黒はっきりした世界は、当時の自分の気持ちとも一致していました」と話した。
準グランプリ作品企画 GREEN FUNDING賞
『マイ・ダディ』 (旧題:『ファインディング・ダディー』)
『実は、“夢”が原案なんです』
そんなストーリーを考えついたきっかけについて聞いてみた。
「実は、ある日見た“夢”がストーリーの原案なんです。『植物状態の母親と中学生の娘。その後、娘は、母親とは実の親子ではなく、同級生と母親の間に血縁関係があることに気が付く』っていうすごいシリアスな夢でした。起きてすぐにメモしたんですが、いざ映画のネタとしてまとめてみようとしても、なんせ夢だから上手くまとまらなくて…(笑)。
そんな時に丁度TCPの応募があったのを意識して、エンタメ寄りのコミカルな要素を入れたら、ストーリーとして企画がまとまっていきました」
審査員特別賞
『ブルーアワーにぶっ飛ばす』(旧題:『ブルーアワー』)
『「どうだ!凄いぜ?」っていう作品は疲れちゃうんです』
そんな親近感のある身近な作品を作ろうと思った背景には箱田氏ならではの映画への思いがあった。プレゼンテーションで昨今の映画について「『どうだ!凄いぜ?』っていうものをみると疲れちゃうんです…私はそんなドラマチックな人生送ってないし、私には関係ない話かな? と思ってしまうんです」と語っていた。
「学生時代は美大で現代芸術にどっぷりつかっていました。その時期は、『オリジナリティ溢れる、観たことないモノ見せてくれ!』みたいな感じが求められていたんですが、『観たことないんだから、そんなのしらねぇよ!』って思ってました(笑)。自分の興味が一番あって、面白いと思える身近なモノの方が、観客としても見てみたいし、自分としても自信を持って出せると思ったんです」
「茨城」×「お茶の間スタイル」が生むリアルだけどフィクションな映画《取材》
グランプリ作品企画
『嘘を愛する女』(旧題:『嘘と寝た女』)
『点数なんて、あってないようなもの』
中江氏がプレゼンした『嘘を愛する女』(旧題:『嘘と寝た女』)は、実際の事件を元にしている。
5年間同棲した内縁の夫が亡くなった際、彼の名前や医者と称していた事などすべて嘘だとわかりました。夫は一体誰だったのか、調べてもわからない。ただ夫は、妻に黙って700枚の小説を書いていた…。
話の内容もさることながら、実写でのイメージ映像でさらに会場を引き込んだ中江氏。満場一致の受賞にも、「嬉しかったというよりも、あぁよかった、と思って」と感想を述べてくれたが、確固たる自信があったというわけでもなかったという。
「自信はあったかどうかわからないし、選ぶ人たちがどういうものを求めているのかもわからない。点数なんてあってないようなものですから。そこはもう、審査員が違えば結果も違ったでしょうし。自分としては、やることだけはやったぞと思っていましたね」
『嘘を愛する女』中江和仁監督、TCPグランプリ2015受賞時インタビュー<リバイバル>
準グランプリ作品企画
『裏アカ』
『30代の人間が感じていることを映画にしたいなというのが出発点』
加藤氏が準グランプリを獲得した『裏アカ』は、いわゆるTwitterのようなSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)における裏の顔をテーマの一つに据えている。それが「自分が30代半ばになって、失っていくものがすごく多いと感じていた」ことと結びついた。
「10代は夢を追いかけて、20代は勢いで突っ走っていればよかった。でも30代になるとみんな結婚もして、家庭も出来ていく中で友達関係がなくなっていったり、徹夜が出来なくなったり、“若さ”がなくなっていくんです。女友達と飲んでいて分かったんですが、女性のほうがそれが顕著ですよね。結婚適齢期だとか、出産とか…。そういう30代の人間が感じていることを映画にしたいなというのが出発点でした」
本作は、真知子という女性が主人公。そこに現代らしい“闇”設定をプラスしたのだ。「そこにうまくSNSを絡められないかなというところから、裏アカウントを作っちゃった女の人が堕ちていく話、っていうのは面白いなと思ったんです」
準グランプリ作品企画
『ルームロンダリング』
『製作費1億くらいの価値はあるなと思っていました(梅本)』
落ちる前提で考えたというこの企画、2人はそれぞれの思惑を持っていた。
「梅ちゃんの考え方が、落ちる前提だったんですね。なので、落ちた時にせっかく企画書として書くんだから、テレ東深夜枠に持って行ってもいいようにしたいと。僕は逆にいつも助監督やっていて思うのが、昨今やっぱりオリジナルがないし、小説もあるけど、漫画原作もすごく多いから、脚本じゃなくて漫画書いたほうが良いって思った。脚本が漫画として成立して面白くて、それを漫画原作の人が監督をするとなれば、お金を出してもらいやすいんじゃないかなって思ったんで」(片桐)
「TCPで5,000万円が獲れなかったとしても…他の企画プロデューサーとかに見せたら1億くらいでやらせてくれるだろうなと思っていたので。審査員の方たちはその辺の価値を感じてくれたんじゃないかと思います」(梅本)
TCPでFilmarks賞受賞の映画『ルームロンダリング』片桐健滋監督インタビュー